発行年月日:2016年3月
概要:
水田作経営では,機械施設の稼働率向上などのスケールメリットによって利益を上げる「規模拡大」と,稲作と作業競合の少ない作物とを組み合わせて売上げ向上をめざす「複合化」が主な経営戦略を占めてきました。また,近年では,米の直接販売によって付加価値を得ようという生産者が増えてきてますが,単位農協による米直売拡大や米消費動向の変化が進むとともに,大規模経営が直接販売する米の量も急激に大きくなっていることから,より高度な販売戦略が求められています。
そこで,付加価値を付けて米を販売している4つの大規模水田作経営を紹介し,「商品」,「価格」,「チャネル」,「広告宣伝」といった要素を組み合わせるマーケティング・ミックスの視点からその特徴を整理するとともに,その成立条件についても考察し,大規模水田作経営が利益を生み出していくための「新たなビジネスモデル」の事例として提示しています。