アジアにおけるGAP普及・支援事例-ThaiGAPの事例

  • タイ商工会議所やカセサート大学が関与しているThaiGAPは、タイの農業者がGLOBALG.A.P.と同等性を備えるGAPをより安価に認証を取得し、輸出促進を図るために設立された。ThaiGAPには、認証取得の難易度により2つのレベルが存在し、レベル1は輸出に取り組む農業者用であり、レベル2は国内流通向けの管理項目となっている。2013年時点で、ThaiGAPレベル1の認証を取得しているのは7農場であるが、将来的には、タイにおけるGLOBALG.A.P.認証農場の約半分が、ThaiGAP認証に移行することを期待している。

1) ThaiGAPの概要

  • ThaiGAPは民間主導で普及が進められているが、オーナーはタイ商工会議所(The Thai Chamber of Commerce)で、事務局は国立食品研究所(National Food Institute)である。カセサート大学(Kasetsart University)は、管理項目の策定やThaiGAPの指導員養成など、技術的なサポートを行っている。
  • ThaiGAPは、2013年3月に、GLOBALG.A.P.のバージョン4との同等性認証を確立しているが、このようなGLOBALG.A.P.との同等性を備えるタイ独自のGAPを設立した背景は、農業者がGLOBALG.A.P.より安価に認証を取得できるようにして、輸出促進を図るためである。審査費用は、1日当たり、GLOBALG.A.P.は25,000バーツだが、ThaiGAPは15,000バーツである。
  • ThaiGAPには、認証取得の難易度により、2つのレベルが存在している。まず、レベル1は、GLOBALG.A.P.との同等性を得ていて、輸出に取り組む農業者はこちらを取得する必要がある。一方、レベル2は国内流通向けの管理項目となっている。
  • 将来的には、タイ国内流通向けのGAPは、ThaiGAPレベル2とQGAPが統合して一本化されるのが望ましいと考えており、ThaiGAPはACFSに統合に向けた働きかけを行っている。

2) ThaiGAPの普及状況

  • 2013年時点で、ThaiGAPレベル1の認証を取得しているのは7農場である。一方、タイにおいてGLOBALG.A.P.の認証を取得しているのは約300農場である。将来的には、 GLOBALG.A.P.認証農場の約半分が、ThaiGAP認証に移行することを期待している。なお、レベル2の方は、まだ制度が始まったばかりなので、認証農場数はゼロである。